「津波てんでんこ」と赤ちゃん
三重県南部は津波の浸水深も到達時間も
シビアなところが多い。
だからこそ正しく伝える必要がある。
「津波てんでんこ」
てんでバラバラに逃げる、まで話すと、
納得いかない表情の子、
悲しそうな表情の子だらけになる。
だからこの先の説明にも力を入れる。
「みんなが逃げてるってわかってたら、
おうちの人もすぐ逃げてくれるよね。
そうしたらみんなで助かることができるからね。」
ここまで話すと、ホッとした空気になる。
先日、授業が終わって質問に来てくれた
2年生の女の子。
「赤ちゃんは?」
「おうちに赤ちゃんいるの?」
「うん」
「赤ちゃんはね、一人ではいないよね。
おうちであればおうちの人がいるし、
保育園に行ってたら先生がいる。
誰かが連れて逃げてくれるよ。
だから大丈夫だよ。」
ここまで話したら女の子の表情が
ぱぁっと明るくなった。
こどもって本当にすごいと思う。
たった数十分の授業の中での話を自分に引き付けて、
そして大切な人たちのことを考える。
本当にすごいと思う。
そして防災教育の防災にとどまらない力を、
何度も何度も実感している。